下宿らしい木製の廊下の端に階段があり下に降りてみると玄関には無造作に靴やサンダルが散乱していた。適当に合いそうなサンダルを履いてドアを開けると新緑の香りと共に穏やかな風が頬を舐めた。アスファルトの細い道を少し歩くとT字路にぶつかり左側になだらかな坂道がつながっていた。坂道を下りきるとそこは商店街で買い物の主婦たちで賑わっていた。 つづく