官主導の情報操作

バブル経済時代証、券会社に特金窓口という口座が開設されていた。大口の取引先の口座である。バブルが終焉を迎え口座維持に困っていた(損失を補填していた)証券会社幹部は旧大蔵省に相談し口座廃止に動いた。ここで大蔵省が描いたシナリオは以下の通りである。各マスコミには大蔵から情報をリークする、お前たちは責任を認め謝罪・辞任する事という内容であった。マスコミは​​大口投資家への損失補填は行うが一般投資家の損失はそのままの証券会社を非難する記事を連載(一般投資家はドブと呼ばれていた)し社会もこれに同調した。結果証券会社の謝罪会見が続き何人かは辞任した。その後特金窓口は良くないという意見形成が出来たと判断した大蔵省はこの口座の廃止に動き証券各社は悲願を達成した。情報リークから意見形成まで官が主導した世論操作であった。我々は情報に接する時にこれは何処から出てきた情報なのかを良く考えてみる習慣が必要不可欠である