バブル期の金

1986年から1991年の間は所謂バブル期と呼ばれた時代であった。新卒内定者に海外旅行をプレゼントしたり、青田買いといい3月頃から優秀な学生を囲い込む等企業も派手に金を使っていた時代だ。野村證券の新卒者の夏のボーナスが90万円代だったりして証券会社は絶頂期にあった。日本に生まれた過剰流動性は主に米国債の購入にあてられ当時の宮沢大蔵大臣が直に銀行へ連絡し入札を促すといった信じられないような事が行われていた。だだ1人この時期にまともな事を言っていたのは建築家の黒川紀章であったことを私は覚えている。彼は過剰流動性の金を全て国内インフラに投資すべきだと主張していた(産業革命時期のヨーロッパがそうしたように)そうすれば社会資本が充実し国民生活の生活が基本から長期にわたって支えられると主張していたと記憶している。今現在の老朽化した橋や道路、高速道路のトンネルでは崩落事故で死者まで出ている状況だ。これから先社会資本のメンテ費用は相当な金額に上ると思われるが恐らく全て受益者負担つまり国民負担という形になるであろう。バブル期にまともな金の使い方を政府がしていれば暗い未来にはならなかった筈である。