昔の日本人とは

ふっと過去を鑑みてみると、私の親父が無くなってから40年の歳月が経った。私が17歳の時に親父は無くなった55歳であった、大正15年生まれの男で大学進学を志していた年に第二次世界大戦日本海軍で戦中を過ごした。過去の事は余り語らない人で元軍人であった為幼少期の私は親父をとても怖い存在として認識していた、家に帰り革靴が玄関にあるだけで緊張したものだった。口癖は貴様で幼稚園児の私にも平気でビンタが飛んできたものだ、曲がったことは大嫌いで常に正義を重んじていた人で自分より弱い人貧しい人には心優しい人であった。私も高校に入るころには親父の世代の苦労も分かり多少なりとも打ち解けた気がしたが本人が早稲田大学を目指していたらしく早稲田に入るのかと繰り返し言われた事が記憶に残っている。今私は57歳になって日本人について考えると確かに昔の日本人は実直・真面目・思いやり・義理・人情に溢れていた国民であったのだと痛感する。戦後日本大使館に長期に亘り在任したエドウィンライシャワーが著書The Japaneseで語っている通り日本人は変質してしまったのだ、今の時代武士道精神などとは程遠いミーイズムと限りない私権の欲求だけ高まってしまった日本人に未来はあるのであろうか?日本と言う神国を語る事が許されているのだろうかと自分を含め疑念に思う今日この頃である。日本人よ温故知新でかっての誇れる日本を取り戻そうではないか。