考えこんでいるうちに、そうだ実家に電話をかけてみようと思い。サット、ラーメンと餃子を食べ女将さんに代金を払い店を出た。お袋は去年の4月に他界したのでもし電話をかけて母が出れば完全に過去に引き戻されている事の確証になると思った。通りの人々の服装や電信柱のポスターもやはりちょっと前の時代のものだと強く感じた。商店街が終わり線路を渡るとタバコ屋の横の公衆電話に目がとまった。ポケットに手を突っ込んで小銭を右手に握りしめ受話器の前に立った。  つづく