全てを得るとは全てを失う事

私は今年で58歳を迎える、自分が生まれて幼い時分には60歳というと凄いお爺さん・お婆さんのイメージがあった。自分が60歳近くになりこの国の高齢化・長寿社会が実感できた気がする。さて、話は変わるが私が20代後半に大型店の店舗開発をしていた時に出会った大地主の話をしてみようではないか。彼は千葉市に住んでおり私が彼の家を訪れた時の話である、さぞかし立派な邸宅に住んでいると思い訪れてみると、乾拭き屋根の平屋の農家の建物、車は無し、出てきた地主さんは上下1000円位のジャージ姿で最初家を間違えたのかと思い失礼ながら本人にお名前を確かめたのである。話を進めるうちに彼の人生についての話が進み若い私はとてもビックリしたのである。彼は代々の地主で戦後の農地解放の際も農地ではない土地を所有していたので土地は減らなかった、自分は60歳近いが仕事をしたことが無くそれが非常に世間に対して苦痛であった、土地の賃料は色々貸しているので年間13億円入ってくる(税金でかなり引かれるがかなりのズバヌケタ金額)管理は面倒なので専属の公認会計士に一任しているといった内容。しかし驚いたのは金で買えるものには全く興味が無いという言葉、全てを得た人は全てを失ってしまうのだと若いながらに感じた、若いので金は無かったのだが行きつくところまで行ってしまうと人は無欲になるのだとも感じた。これは全て事実ですのでこれから生きる若い人は何か参考にして下さい。